軽井沢の別荘 設計趣旨

約350坪の敷地は、中軽井沢の別荘地内にあり、西・北2面の道路と唐松林に囲まれて、南東側に向けた緩やかな斜面地である。周囲の環境を開放的に楽しめる空間を中心に、親子2代の家族が多様なパターンで滞在できる別荘が求められた。

緩斜面の地形に呼応して、コンクリート基礎部分がレベル差をもって形成され、北側へ向けて隆起した。上部に は、周辺の樹木や建物に感応したL型のボリュームと2枚の片流れ屋根による「囲い=Closure」がかたちづくられた。プログラムはそれらの空隙に展開され、レベル差により発生した2層分の空間に重ねられた寝室や諸室がコンパクトに構成されて、吹抜けのリビングからデッキ、そして林へとつながる眺望の良い空間を取り囲むように布置されている。